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抜け切ったプロポーション |
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京町家といえば、奥に長い敷地が多いため、室内はどうしても閉鎖的で薄暗くなってしまう事が多く雰囲気は好きでもその点を懸念されている方も少なくないと思います。そこで今回はそのネガティブな面を見事に打ち破る、縦にも横にも抜けた空間に陽射しが集まるリノベーション京町家の登場です。 まず玄関の土間から奥まで一直線に突き抜ける導線と、格子窓がある玄関横の6帖の和室が京町家の風合いを感じさせてくれます。そしてここからが今回のメイン。次の3帖の和室から先の部屋の間仕切りは取り除かれ、一気に窓越しの庭までスコーンと抜けた空間は見事の一言。陽射しをどんどん受け入れますと言わんばかりの大きな窓からはもちろん、勾配天井の一番低いところに施された天窓から、更にはキッチン上部の高く抜けた火袋から、その時によって変化する採光が織りなす様は在宅時間を充実させてくれそう。 また和室というよりも一段上がった畳のダイニングには堀ごたつがあり、キッチンに立つ方との目線も近づき、食事中のやり取りが目に浮かびます。 そしてリビングの勾配天井は木材で凹凸がつけられ光に表情がでます。細かいところでいくと照明などのスイッチは隠されていて、各エアコンや冷蔵庫なども出来る限り露出しないように。と設計された方のこだわりは書ききれないほど。 また2階の両和室も期待を裏切らず、まず西側はシンプルに梁の曲線を活かしたデザインで、この部屋から収納庫を通り更にロフト部分へと続きます。東側は対称的で群青色とモスグリーンに少し粗めに塗られた襖と畳・梁・天井の茶色の関係が絶妙で少し遊び心を感じつつ安らげそうな部屋です。 そしてそしてもう一つは裏庭です。ウッドデッキとリビングの高低差が無くアウトドアリビングとしても使いやすく、そのまま続く緑豊富な庭はパーゴラもあり多少整備が必要ですがガーデニングがすぐにでも始められる下地は出来てます。おまけに一番奥にはキウイの実がなってました。この庭の緑は造作された浴室からも見えるような設計で、本当に建物の各所でおススメ出来るポイントが盛りだくさん。 最後に洗面所が浴室内にあり、縦長であるため少し洗い場が狭く感じられると思います。ただそういった面も吹き飛ばせる位とにかく居心地が良く、今回数年ぶりに内覧してきましたが、やっぱり長居してしまいました。 |
ファサードの意匠はそのままに(撮影:2015年9月) |
空に向かって広がっていきます(撮影:2015年9月) |
とにかく居心地の良い空間(撮影:2015年9月) |
造り付のAVボード(撮影:2015年9月) |
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建物面積 | 99.73㎡ | ||
所在地 | 京都市上京区六軒町通今出川上ル佐竹町 | ||
交通 | 京福北野線「北野白梅町」駅 徒歩13分 京都市地下鉄烏丸線「今出川」駅 徒歩22分 |
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建物構造 | 木造 2階建て | 所在階 | |
築年 | 土地権利 | 所有権 | |
敷地面積 | 146.28㎡ | 都市計画 | 市街化区域 |
用途地域 | 準工業地域 | 建蔽率/容積率 | 60%、200% |
設備 | 電気/都市ガス/上下水道 |