価格：

3,800万円

面積：

54.66㎡（建物）
40.69㎡（敷地）

玄関は二重扉。外と中のあいだにほんの少し余白があるだけで、家の空気がすっと落ち着きます。中に入れば、天井は高く梁がのびやか。無垢のフローリングがやわらかく光を返し、視線を遮らないスケルトン階段が空間を軽やかにしています。

漆喰の白い壁に青いタイルが映えるキッチンは、立つだけで気分が上がりそう。トグルスイッチをカチッと倒す、その小さな動作まで、暮らしの楽しみになりそうです。洗面はあえて仕切りをつくらず、空間の広がりをそのまま残してあります。洗面や台所、2階にはヨーロッパでよく使われているデザインウォーマーが入り、じんわりと空気を温めてくれます。

この家のいちばんの顔は、やっぱりガラス張りのお風呂。湯に浸かりながら坪庭を眺める時間が、日常になります。竹垣や小さな木、木のデッキの表情を目にしながら、昼はやわらかい光が反射してきらめき、夜は室内の灯りが竹ににじむ。外からは見えない設計なので、その贅沢を安心して味わえます。

暮らしの中で少し気になる点もあります。洗濯機置場は屋外に残してあります。屋根はあるので雨風にさらされる心配はなさそうですが、冬の朝などは「えいっ」と気合いが必要になるかもしれません。トイレは2階にひとつ。寝室も同じ2階なので夜中に困ることはありませんが、1階でゴロンとくつろいでいる時なんかは少し早めに行動した方が良い場合もありそうです。

間取りは1階にリビング、2階に続き間が2室といった構成。ひとりなら広々と、ふたりならちょうどよく。肩肘張らずに住めるサイズ感です。外壁や内装、設備も新しく整えられていて、今の暮らしにすっとなじみます。

場所は平安神宮の北側にあたるギュギュっとした住宅街。静かな空気と文化の香りがやわらかに混じるあたりです。近くには南イタリア・プーリア郷土料理の名店『コナチネッタ』も。普段の買い物や、散歩がてら寄りたいカフェやパン屋もそろっていて、暮らしの幅を豊かにしてくれます。街の華やぎと家の静けさが、自然に同居しています。

和の素地に、ほんの少しヨーロッパの温度を重ねて。竹垣の向こうで湯に浸かり、青いタイルに目をやる。そんな小さな贅沢が、ここでは当たり前になりそうですよ。