新築じゃない、という選択
新築は、よくできています。間取りも設備も合理的で、きれいで、安心感もある。それでも、「この空間が大好きだ」とすぐに言えるかというと、少し考えてしまう人も多いのではないでしょうか?住まいでも、お店でも、事務所でも。新築は完成度が高いぶん、あらかじめ整えられた「正解」が用意されています。一方で、既存の建物には、決めきられていない余白や、時間を重ねた素材が残っている。その整っていない感じこそが、空間に個性を与えてくれることもあります。どう使うか、どこを残すか、何を足して、何を引くか。すでにあるものと向き合いながら組み立てていくプロセスそのものが、その場所らしさになっていきます。
不動産屋ですが、工事もやっています
京都R不動産の運営会社51ActionR&D は、不動産の仲介に加えて、空間づくりそのものにも関わっています。少しクセのある建物や、時間を重ねた素材と向き合いながら、「この空間でこんなことができたら面白いな」という考え方から空間を組み立てていく。便利さや新しさよりも、使い続けたくなること。飽きずに好きでいられること。その感覚を大切にしながら、設計と工事をセットで手がけています。
建物の使い方を、もう一度。
今回ご紹介するのは、既存建物を活かして整えたリノベーション事例です。5階建てのビルで、1階から3階までは店舗が入り、その上階にあたる4階と5階をつないで、ひとつの住まいとして使うメゾネットの構成にしています。

右手に玄関、正面に4階と5階をつなぐ階段

キッチン側からフロア全体をみたところ

リビング側からキッチンをみたところ
4階にはリビング・ダイニング・キッチンと水回りをまとめ、5階を寝室とすることで、上下階で暮らしの役割を整理しました。室内は、コンクリートの躯体天井の高さや大きな窓など、建物がもともと持っていたスケール感をそのまま活かしています。床や壁も、素材感を抑えすぎることなく、建物の表情が感じられる仕上げに。照明は全体を明るくするというより、必要なところに光を添えるような考え方で、時間帯によって印象が変わるようにしています。ワンルームをベースにしながら、ダイニングとリビングといった日常の機能はきちんと整理され、壁で区切るのではなく、家具の配置や距離感によって、それぞれの居場所が自然と決まっていく。そんなつくりです。

5階の寝室、正面の窓からは朝日が入ります

少し遊び心を感じさせる、色使いにこだわった洗面所

玄関前に設けた、ポストカードを飾るスペース
こだわりの空間を持ちたいなら
新築は、分かりやすくて安心です。でも、空間にもう少し踏み込んでみたいと感じたとき、すでにある建物をどう組み替えるか、という視点がしっくりくることもあります。物件を探すところから、使い方を考え、必要な手を加える。そのプロセスごと関わることで、その場所との距離感も、少し変わってくるのかもしれません。新築を前に、ほんの少し立ち止まったときに、こんな選択肢もあることを思い出してもらえたらと嬉しいです。
最後に、51ActionR&Dが手がけてきたリノベーション事例は、こちらからご覧いただけます。
https://51actionkyoto.jp/archives/works_article
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